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言葉に宿る“通じる”意志

初心者向けの英語教材には、より分かりやすくという意図から、

カタカナ表記の英語発音

がなされていることがあります。
単語の読み方なら、発音の手がかりとして活用できますが、困ったのは

文章丸ごとカタカナ表記

という書かれ方のもの。
例えば、

ディスイズアペン (This is a pen.)

と書かれてあり、それをそのまま暗記したとします。
この程度の英語であれば通じるかもしれませんが、話し手が

ディス = これ
イズ  = ?は (存在を表す)
ア   = 一つの
ペン  = ペン
ピリオド = 文章終わり

と、一つ一つの単語の持つ “性質(意味ではなく)” を意識することなく発音した場合、言葉として通じる可能性がとても低くなります。

言葉は、ただ単に音を相手の耳に聞かせるというだけでは伝わりません。
電子的に作られた人間の声は、少しずつ精度が上がってきてはいるものの、日本語であっても聴き取りにくいのです。プログラムという、“意志のないもの”は、ある単語の、前後の単語との関わりを意識せず、ただ

母音と子音の集合

のような処理で発音します。

“伝えたい” という意志を持って、単語の性質を頭に思い浮かべながら発音してくださいね。そうすれば、多少発音が悪くても通じやすくなります。