石川裕基
【 個人ブログ 】
小さな頃、私はタイに住んでいたことがあります。
ある日、遊園地に遊びに行き、路上で売っていたオモチャをねだりました。忘れもしない、ミッキーマウス風の黒くて丸いネズミの耳の帽子でした。この時の経験は、外国語は話す練習だけしていてはいけないという教訓になっています。
私 「お父さん、あれが欲しい!」
父 「自分でいくらか聞いてきたら買ってあげるよ」
まだタイ語が何も分からなかった時なので、?
私 「どうやって聞けばいいの?」
父 「ラーカータオライ? って聞くんだよ」
私 「わかった!」
そして、私は販売員のところへ駆けていき、
私 「ラーカータオライ?」
と聞きました。
どうやら相手に通じたらしく、販売員は私に価格を言いました。
当然、タイ語です。
分かるわけがありません。
相手の答えを聞いているうちに、おねだり熱は冷めてしまい、
私 「もう、あのオモチャいらない」
という結末に。
旅行に“旅行に役立つ、簡単会話集”などという本を片手に出かけられる方がいらっしゃいますが、おそらくあまり役に立たないことでしょう。
会話とは、答えてくれる相手がいて初めて成立するものです。
聴く力をしっかりとつけておく必要があるのは、先ほどの私の経験が示す通りです。
不思議なモノで、一度実践で使った(笑)
「ラーカータオライ?」
は忘れることがありません。本当にこのときに一度口に出しただけなのに。