日本ではTOEICという“和製英語力テスト”をよく聞きますが、世界的には
TOEFL
というテストで英語力をはかります。留学された方ならよくご存じなのではないでしょうか。
ある留学生Aさんの体験談では、日本への帰国後、あるパーティーの席で大企業に勤めるBさんとこんな会話をしたそうです。少しお酒が入った席でのことです。
Bさん 「Aさんは、留学経験がおありでしょ?TOEICは何点ぐらい取ってるの?」
Aさん 「TOEICというのはよく知りませんが、TOEFLでしたら620点くらいです」
Bさん 「そうなんだ。ウチの会社ね、最低でも650点要るんだ」
Aさん 「凄いんですね!!」
あまりの驚きに、Aさんは別の方に聞いたところ、本当はTOEICで650点だったそうです。
TOEFLで620点というとかなりの高得点です。
ところが、TOEICで620点というとそうでもありません。
このBさんは、おそらくTOEFLというテストを知らず、英語の世界標準はTOEICだと考えていたのでしょう。
日本ではTOEICが世界標準のように考えられていますが、いずれにしてもテスト結果で英語力を計ろうとすること自体とても的はずれなのです。
企業ではTOEICのテスト結果を採用の参考にするところが増えています。
しかし、できれば英語を日常的に使っている担当者が面接を行う仕組みに変えた方が現実的です。そうするとおそらく、
「面接なんてできないです・・・」
と物怖じしてしまう方が出てくることでしょう。
しかし、考えようによっては、その方の英語レベルがあれば業務がこなせているわけです。だったら、その方が
「この子の英語力ならOK」
という判断が、その企業で必要な英語レベルだということです。
そうすれば、テストで運良く高得点を取っただけの人を採用する失敗を防ぐことができ、より多くの才能のある方を採用できる機会を増やすことができます。
TOEICだ、TOEFLだといっても、その人の人間的な部分は英語力で変わるものではありませんから。