あなたが唯一落ち着けることができる家に帰って、興奮が冷めるまでベッドで横になっていたり、日本人の友だちと話をしている間、ドライバーは現場で何をしているのでしょうか?
当然、保険会社に電話(これは日本も同じです)をします。
それから、そこら中の人を当たって、事故の目撃者を捜します。
そして、それらの人達から連絡先をもらいます。
保険会社は“事故の相手”であるあなたの情報と、事故の状況を調べに来ます。
おそらく一か月以内に、相手の保険会社からあなたの元へ手紙が来ます。
そこには、今回の事故の状況を問い合わせる内容が書かれているのですが、“交通弱者”だと思っているあなたは、英語が読めないからそのままにしてしまうかもしれません。
そして、壊れた自転車を捨て、新しい自転車を買う。
その後、何事もなく時間は過ぎていくのですが、1年ほどたってから事故の相手の保険会社から再度手紙が来ます。
今度は、
「あなたからの連絡がないので、あなたが全ての責任を取るということと判断します。よって、同封の請求書通りお支払いください。お支払いが無い場合は、法的手段をとらせていただきます」
というような、かなりキツイ文体の手紙かもしれません。ようやく英語も話せるようになったあなたに当時の事故がフラッシュバックしてきます。
あなたは相手の過失を証明するための目撃者も集めなかったし、自転車も捨ててしまったし、最初の手紙を“交通弱者だから、相手が何とかしてくれる”と無視してしまいました。
そのため、相手の車の修理代を全額負担することになります。
・ 部品の取り外し工賃
・ 新しい部品代
・ 取り付け工賃
・ 修理中のレンタカー代
などです。おそらく1500ドル?2000ドルの請求があるのではないでしょうか。
海外に行ったら、
知らなかった・慣れていない・初めてだから
などという甘えは全く通用しません。
ただ、在留許可を持って居住している人であるだけです。留学生だから、英語が分からないから、などということは一切考慮されず、
一人の住人
としての責任を全うしなければならないのです。
英語が全くできなくて冒険的に留学生活を始めることも一つの手ではあります。でも、留学生といえども何の特権もないどころか、言葉ができないという負い目があるのだと自覚してください。
相手は、容赦なくあなたの弱点や、甘え心を突いてきます。
留学生活は楽しいばかりではありません。
生きている以上、事件・事故と無関係ではいられないのです。
何かあってからネットで調べるのではなく、あらかじめどのように対応すべきかをしっかり頭の中で予行演習しておいてください。
少なくともやるべきこととは、保険関連と事故時の目撃者確保です。
□ 事前
・ 保険に加入しておく
・ 保険内容を確認しておく
・ 保険会社とのコミュニケートの方法を確認しておく(もし何かあったらどうするか?)
□ 事後
・ 目撃者を確保する
(怪我をして動けない場合は仕方がありませんが、保険会社には連絡が必要です)
・ 相手の保険会社からのコンタクトに備えて、英語が堪能な人か、学校スタッフに相談する