日本に住んで6年の、イギリス人英会話教師と話をしたときのこと。
「日本に来て、ずいぶん英語を話すスピードがおそくなりました」
話によると、彼はイギリスに帰国すると友人達から笑われてしまうという。日本人の英会話教室の生徒と話をするうち、話すスピードが遅くなってしまったのだとか。
実際彼の英語は聞きやすく、おそらくアメリカ英語に慣れた方にも聴き取りやすいのではないか。
しかし、問題は彼が知らない間に、
「聴き取りができない方に英語を合わせて話している」
という事実だ。
聴き取りやすい、ゆっくりとした英語が聴けるようになったとしても、現実に接したとき自信を失うに違いない。
人が相手の言語レベルに合わせて話し方を変えるのは、“理解されたい”という本能によるものだろう。
この点が英会話の習得においての問題になっていることは間違いない。