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英語が30日では絶対に習得できない理由

英語教材の業界では、

「数十日で英語が話せる」
「数十日で英語が聴ける」

という宣伝文句が踊ります。

これは、宣伝文句です。なぜこんなことが平気で言えるのか、憤ります。

「英語に限らず、語学を数十日で普通の生活を続けながら習得することは不可能です」

“普通の生活を続けながら”ということは、何か他の生活をしたら可能なのか?
という質問を受けそうな書き方をしてしまいましたが、ネット上での発言は慎重すぎるくらいがちょうど良いのでこう書いています。

ただ、仮に数十日で英語が習得できた人がいたとしたら、それは

奇跡の類 又は特殊な環境での生活を強いられた状態

です。一般的にそれが再現可能だという主張は納得できるものではありません。

では、なぜ語学が30日で習得できないか。

言葉は、運転や料理などの“技能”とはちょっと違います。
運転や料理はプロになろうというのでなければ、数十日もあれば誰でも到達できるレベルがあります。その時点で「免許」を与えられ、公道で運転できたり、お客様に料理を出したりする資格が得られます。極端な話、多少下手でも免許は得られます。

上手いか下手か、一流か三流かは、これからの経験で変わってくるわけです。
これら“技能”と語学との決定的な違いは、

運転など = 技能

に対して、

英語・語学 = 習慣

なのです。

かんたんに言えば、今まで数十年日本語で考え話してきた私たちが、

他の国の人の考え方で考え、話し方で話す

わけです。外国語を話すということは、大きな習慣の転換を必要とします。習慣の転換は、人間の最も苦手とするところです。
一般的にはどんなことがあるかといえば、

肥満解消のための運動 (含ダイエット)
“クセ”を直すこと
感情のコントロール (怒りっぽい・内気など)
禁煙
依存症などの克服
その他、毎日決まったことを続けること

これが「かんたんだ」と言える方は、何をやっても上手くいくことでしょう。しかし、現実的には非常に難しい、本人の努力が必要な問題なのです。

ですから、

数十日で英語が習得できる

などという言葉を信じないで、今の努力を地道に続けることが英語習得の最短距離になると、当社は主張しています。

言葉を話すことは、コツやテクニックではありません。人間の習慣と深い関わりがあるわけですから、日本語に慣れたあたまを英語の発想に変えていく

習慣作り
習慣の定着

これを一生懸命意識しながら行ってください。だから、反復練習も必要になりますし、DIVE LAのような個人が自由に話す口語に触れることも必要になりますし、かんたんな文法書を何種類か読んで、その発想方法を系統的に頭の中で整理する訓練が有効なのです。

語学は絶対に身に付きます。
でも、それは“新しい習慣”を体に取りこむ、我慢が必要なプロセスなのだと覚えておいてください。