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子供だって“勝手に”話せるようにならない

こんな文句を聞いたことがありませんか?

「子供はなにも教えられないのに、言葉を話すようになる」

これは、全くのデタラメです。
確かに、子ども達は勝手に言葉を覚えていくように感じるかもしれませんが、それはまず親という

先生の存在

があって、基本的な言葉を身につけていくのです。
途方もない時間をかけて、繰り返し繰り返し、使ってみて間違いを正される。
こんな経験をつんで、母語を身につけます。

それだけではありません。
言葉をある程度正しく話すためには、やはり

教育の存在

が大きいのです。
例えば、ヨーロッパの言葉は、動詞の活用が目がくらむほど多いのです。
動詞に主語が含まれる形で活用され、しかもそれに単数・複数・女性・男性・時制が加わり、更に、親しいのか丁寧なのかという違いも、動詞の活用で表現します。

その数、実に40に迫ります。

これらを、ヨーロッパ各国のネイティブスピーカー達は、ただ親とのコミュニケーションだけで、

自然に

覚えることが出来るのでしょうか?

そんなはずはありません。

やはり、彼らも学校で “活用の暗唱” をさせられるのだとか。
つまり、ネイティブといえども、暗唱を避けて通ることはできないのです。

私たちも、国語の時間に五段活用、やりましたよね?

語学が習得できるかどうかは、

反復練習を習慣化することができるか、できないか

この一点にかかってきます。
ですから、

「努力なしで英語が話せるようになる」

等という宣伝文句は、妄言としか言いようがないのです。
各国語のネイティブスピーカー(私たち日本人も含めて)は、努力とは意識していないものの、反復練習を生活習慣の中に自然に取り込み、

気の遠くなるような時間をかけて、しかもあきらめることなく

言葉を習得してきたのです。
子供は、勝手に言葉を覚えるなんて、そんなはずがありません。

子供を育てた経験がある方は、特にそう実感していることでしょう。